「介護ゆがみ」を解消!介護する前に知っておきたい自分のカラダケア ― 姿勢と動きのチェック法

執筆:市川 塁(理学療法士)
体の不調と体のゆがみ(関節や姿勢のゆがみ)は、よくセットで語られます。しかし、医学的な見地からは「体(関節)のゆがみなどない」と言われることもあります。
実際に、腰痛や肩こりなど体の不調に悩む方の体をチェックしてみると、確かに姿勢や関節の位置に左右差がある、つまりゆがみがある方もいれば、止まっている姿勢では左右差がほとんどない方もいます。
ただし、姿勢の左右差がほとんどない方でも、関節の動きのスムーズさや硬さには左右差が認められます。つまり、体のゆがみには「見た目のゆがみ」と「動きのゆがみ」の2種類があるのです。
ゆがみはなぜ生まれる?
では、なぜ体にはそのようなゆがみが生まれるのでしょうか。その要因のひとつは、生活習慣の中での体の使い方・使われ方にあります。
普段、どんな作業を、どのような姿勢で、どのくらい行っているのか。つまり、ゆがみはその方の職業や役割に大きく影響されます。そのため、ゆがみには職業や役割に特有の個性があらわれます。ホームヘルパー、主婦、デスクワーカー、肉体労働者……それぞれのゆがみには個性があり、腰痛や肩こりなどのあらわれ方や種類も、そのゆがみに影響されます。
そこで今回は、自分でできる体のゆがみのチェック方法と、その整え方をお伝えします。
介護で起こりやすいゆがみの特徴
介護の現場では、どのような姿勢での作業が多いのでしょうか。
介護には、食事介助、移乗介助、着替えの介助、入浴や清拭などの清潔の介助など、さまざまな作業がありますが、そのほとんどが「前かがみで、体をひねった」姿勢での作業です。
この「前かがみで、ひねった」姿勢でいる時間が長いため、体は「猫背・丸まった腰」になり、さらに「左右どちらかに傾いた・ねじれた」ゆがみが生まれやすくなっています。
姿勢のゆがみチェック法
姿勢のチェックで最も手軽なのは、鏡と壁を使って、立った状態で確認する方法です。
1. 鏡の前に立ってチェック
前方に鏡を置き、全身を映した状態で次の点を確認します。
頭が傾いていないか
左右の肩の高さは同じか
左右の腰の高さは同じか
2. 壁を背にしてチェック
壁から5cmほど離れたところに立ち、壁に少し寄りかかって次の点を確認します。
お尻・背中・後頭部が、無理なく壁についているか
腰と壁の間に、指1〜2本分のすき間があるか
動きのゆがみチェック法
動きの左右差・前後差のチェックで最も手軽なのは、足を肩幅に開いて立った状態で確認する方法です。
1. 前後屈テスト
前屈:膝を伸ばしたまま、お尻を後ろに引きながら前屈し、無理なく指先が床につくか
後屈:両手を腰の後ろに回し、おなかを前に出しながら腰を反らせて、無理なく天井が見えるか
2. 腰の左右スライドテスト
両手を腰の両脇に添え、骨盤を左右に水平にスライドさせて、左右差なくスムーズに動かせるか
3. 腰のひねりテスト
左右に振り向いて、無理なく真後ろが見えるか、左右差がないか
以上のチェックを行い、姿勢にゆがみがないか、動きに左右差・前後差がないかを確認しましょう。
ゆがみの解消法
ゆがみを解消するポイントは、動きの左右差・前後差をなくし、動きをスムーズにすることです。そうすることで、動きのゆがみはもちろん、姿勢のゆがみも軽減し、体の不調は減っていきます。
やり方はシンプルです。動きのゆがみチェックで分かった、自分の動きの悪い方向・硬い方向について、同じ動きを使い、息を吐きながら3秒×5回のリズムでストレッチ体操を行います。
繰り返しているうちに、徐々にほぐれていくのを実感できるはずです。同じ動きを繰り返しながらほぐしていくことがポイントです。
できれば朝・昼・夕・夜の1日4セットを習慣にすると、ゆがみが改善し、体の不調の軽減につながります。
負担は溜まるものです。一瞬で体の不調を解消する魔法のようなテクニックは、なかなか見つかりません。こまめに解消していくことが一番の薬です。ぜひ試してみてください。なお、痛みが強いときやしびれがあるときは無理をせず、医療機関に相談してください。
執筆者 市川 塁(理学療法士)
※本記事は、医療・介護の専門職による寄稿を当社編集部で再編集したものです。内容は執筆時点の情報にもとづく一般的な解説であり、症状や状況には個人差があります。具体的な判断は、かかりつけの医師・歯科医師・薬剤師などの専門職にご相談ください。




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