2026年改正法のポイント ― 有料老人ホームの登録制と、紹介事業者に求められること

2026年6月、「社会福祉法等の一部を改正する法律」が成立しました(6月19日成立、6月25日公布)。高齢者の住まいの選択肢として広がってきた有料老人ホームと、その入居を仲介する紹介事業について、これまでの自主的なルールから、法律にもとづく仕組みへと大きく転換する内容が盛り込まれています。
改正までの主な流れ
2020年10月:業界団体(高齢者住まい事業者団体連合会)が「高齢者向け住まい紹介事業者届出公表制度」の運用を開始
2024年12月:高額な紹介料の報道などを受け、国の標準指導指針と業界の行動指針を改定
2025年11月:国の検討会がとりまとめ(登録制、契約前の書面説明、紹介事業者の認定制度など)
2026年6月:改正法が成立・公布
ポイント1 有料老人ホームの登録制
中重度の要介護者や医療的ケアが必要な方、認知症の方などを受け入れる有料老人ホームについて、都道府県等への登録制が導入されます。中重度になっても住み続けられるとするホームも含まれるため、既存のホームの多くが対象になる見込みです。
登録にあたっては、書面による入居契約、省令で定める「不当な条件」を付けない契約、運営に関する重要事項の策定、都道府県条例で定める人員・設備・運営基準への適合などが求められます。施行は公布から2年以内に政令で定める日とされ、既存のホームには施行日から最長1年6か月の経過措置が設けられています。
また、登録の対象外となるホームも含めて、入居者の処遇・安全・秘密保持に関する遵守事項が省令で定められ、契約前に重要事項を書面で説明・交付することも求められる方向です。
ポイント2 いわゆる「囲い込み」への対策
登録対象の住宅型ホームでは、特定の介護サービス事業者の利用を入居の条件とすることが禁止されます。たとえば次のような条件は「不当な条件」の例とされています。
併設・系列の介護事業所の利用を入居の条件にする
系列のサービスを利用する場合だけ家賃を優遇する
かかりつけ医やケアマネジャーの変更を強要する
あわせて、ホームと対等な立場でケアプランの作成と地域生活の相談を一体的に行う新たな相談支援(登録施設介護支援)も創設されます(施行は公布から3年以内)。
ポイント3 紹介事業者の位置づけと認定制度
改正老人福祉法には「有料老人ホーム入居情報提供事業者」が規定されました。さらに、基準を満たす紹介事業者を有料老人ホーム協会が認定・公表する優良事業者の認定制度が、2027年度に始まる予定です(業界団体の届出公表制度への届出が前提)。
紹介手数料については、月あたりの家賃・管理費などの居住費用をベースに算定することが適切とされ、要介護度や医療の必要度に応じて手数料を変えることは、国の指導指針と業界の行動指針で不適切とされています。
入居を検討するご家族が確認したいこと
相談先が紹介事業者であること、住まい側から手数料を受け取ることの説明があるか
条件に合う複数の選択肢と、それぞれの長所・短所が示されているか
空室・費用・医療体制の情報に、確認した日付が添えられているか
契約前に重要事項説明書を受け取り、退去条件や費用の内訳を確認できたか
紹介事業には、これまで以上の透明性と質が求められる
今回の改正で、紹介事業者には高齢者の意思決定支援や権利擁護の役割も期待されています。政省令で定められる詳細は今後明らかになりますが、「中立の立場で、正確な情報と選択肢を届ける」という相談員の基本姿勢は変わりません。当社の「介護施設入居紹介 専門相談員 研修テキスト(2026年版)」では、改正法の内容と、日々の相談で徹底したい行動基準を詳しく解説しています。
※本記事は2026年10月時点の情報にもとづく解説です。施行日や詳細は今後の政省令等で定められるため、最新の情報をご確認ください。

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